12/31/2017

第19期シャンパーニュアカデミー基礎クラス【全3回】開催報告

シャンパーニュ委員会主催、第19期シャンパーニュアカデミー基礎クラス【全3回】
が修了いたしました。

前期に続き、会場はトゥールダルジャン。
講師はトゥールダルジャンシェフソムリエの野坂昭彦氏が担当です。




会期中、シャンパーニュコンクールで優勝なさった野坂講師。
シャンパーニュへの知識も更に磨きがかかり、素晴らしい知恵と表現をご披露くださり、活き活きとしたレッスンになりました。

また、各テーブルから様々な質問が飛び交い、野坂講師ならではの適格且つ熟練の講釈を聴くことができ、基礎とはいえ、とても有意義な期になったと思います。





第一回目は、基礎概要は新資料に基づき、CIVCの役割、シャンパーニュの歴史、
テロワール(地理、土壌、気候風土)、ブドウの種類、主なブドウ産地等、
習得必須事項について触れました。



テイスティングの隠れたテーマは「ドザージュの違い」。
三種の品種がアサンブラージュされたBrutと、
ドザージュ量が多いもの・少ないものとを比較します。
ここで、ムニエ100のアイテムや、3つの品種が使用されているも
黒ブドウ率が高い物等がリストアップされているため、
一概にドザージュ量だけが味わいに変化をもたらすものではないということが証明され、シャンパーニュの多様性を見ることができました。


これからシャンパーニュを開けるシーンが増えるであろうシーズンに突入、
とのことで野坂講師がシャンパーニュの開け方を華麗に実演くださいました。

Kuë poêlée, sauce grenobloise

~長崎産クエのポアレ、グルノーブルソース~
クエ特有の脂の旨味、身の引き締まった触感にクリーミーなソースが加わり、
3つの品種をアサンブラージュしたシャンパーニュがクリーミーに包み込みます。
また、グルノーブルソースに用いられているケーパーが、シャンパーニュの塩味
(ミネラル)や柑橘のニュアンスを引き立て素晴らしいマリアージュとなりました。
シャンパーニュとのペアリングには不可欠の根菜も添えられています。

【3つの品種】
BEAUMONT des CREYERES Brut
DUVAL LEROY Brut design Paris  NV
LOUIS ROEDERER BRUT
【ドザージュの違い】
HEDSIECK MONOPOLE Red top
Bourdaire Gallois Tradition  Extra brut




★   ★   ★




第二回目は、シャンパーニュの製法へフォーカスをあて、
新資料のチャートを基に体系的に知識にしていきます。

テイスティングは3つの品種とロゼシャンパーニュ。


ロゼシャンパーニュはアサンブラージュとマセラシオン(セニエ)という
2種類の製法があり、その違いを見極めます。







シャンパーニュグラスの選び方について。
シャンパーニュ発祥時に流行したクープ型グラスが第一世代だとしたら、
現在使用すべき卵型のグラスは第四世代。香りの分子が取りやすく、
ヴィンテージやロゼに最適とのことで、グラスによる味わいの変化もテイスティングで
見ることができました。




Millefeuille de homard aux olive noir
~オマールエビのミルフィーユ 黒オリーブソース~
オマールエビがパイに包まれたミルフィーユ仕立て。ソースに用いられている黒オリーヴがシャンパーニュの塩味(ミネラル)に対抗し、絶妙なバランスに。
もうひとつは根菜、菊芋のソース。


【3つの品種】
POL Roger Brut Reservé 
Thienot Brut
【ロゼ】
Charlier et Fils Prestige Rosé  
Nicolas Feuillatte Brut Rosé
Laurent-Perrier Cuvée Rosé Brut 



★   ★   ★



最終回の第三回目は、初めに①と②で習得した基礎知識のおさらいテストを行いました。
試験結果をDiplomeに記し、来月のディプロム授与式にてお渡しする予定です。


最後のテーマは「モノセパージュ」。
違う品種を調合(アサンブラージュ)するシャンパーニュとは異なり、
モノセパージュ(1種類の品種のみ)で造るシャンパーニュです。


シャルドネ100%のブランドブラン、ピノノワール100%のブランドノワールを、
3つの品種のアサンブラージュと比較しました。

Grenouilles et sot-l'y-laisse en guirlande, sauce Champagne
~グルヌイユとソリレスのガーランド仕立て、シャンパーニュソース~
鶏の非常に貴重な部位、ソレリスのソテーとにカエル(グルヌイユ)をシャンパーニュソースと共にいただきました。最終回に相応しい贅沢なお料理に仕立ててくださいました。


【3種の品種】
Canard Duchene Cuvée Leonie
ALFRED GRATIEN BRUT
Royer Cuvee Brut
【モノセパージュ】
JAMART Blanc de Blancs Volupte Brut
MAILLY Grand Cru Blanc de Noirs





野坂講師の伸びやかな講義、Augierシェフのシャンパーニュとの相性を考慮した
巧みなお料理のおかげで今回も楽しんでご受講いただけたかと思います。

今後も、CIVCの新資料に基づいた体系的な知識習得と
そしてお料理とのマリアージュを体感していただくべく、
次のプレスティージュクラスを企画中です。

ご参加いただいきました受講生のみなさま、ありがとうございました。





12/21/2017

Jプレゼンスアカデミー共催 シャンパーニュアカデミーアドバンスクラス(全4回)開催報告

Jプレゼンスアカデミー WSETワイン教室共催のシャンパーニュアカデミー
 アドヴァンスクラスが終了いたしました。
 
今回もご担当は中村紀子講師。
 
CIVCが作成した最新の資料をもとに作成いただいたスライドに投影し、
テーマに沿った概要を解説、学んだ内容に論理づけて
テイスティングするという流れになりました。
 
テイスティング法もきわめてロジカルに、
産地、テロワール(土壌の種類、畑斜面の方角)にはじまり
マロラクティック発酵の有無、リザーブワインの分量、ドザージュ量などの
データをもとに分析していきました。
 
 
 
 
①熟成したブラン・ド・ブラン【9月】
ノンヴィンテージとヴィンテージの違いが顕著に表れるブランドブラン。
熟した白ブドウの香り・味わいがどういったものなのかをテイスティングしました。
 
圧搾法をテクニカルな側面から解析、
長期熟成により磨きのかかるシャルドネの真髄を研究しました。

 
テイスティングしたシャンパーニュはこちら。
 
Guy Charlemagne Grand Cru Reserve BB
Nicolas Feuillatte Blanc de Blancs 2006
BRUNO PAILLARD Blanc de Blancs 2006
De Sousa et Fils Grand Cru Reserve BB (NV)
DEUZT Amour de Deutz 2007
 



 
②マロラクティック発酵(MLF)の有無【10月】
乳酸菌によってワインの中のリンゴ酸が乳酸と炭酸に分解される現象(MLF)が
シャンパーニュにどうような作用をもたらすのか
マロラクティック発酵の工程、および化学反応がもたらす酸の変化、
香りの変化を分析。
長期熟成をすることによりあえてMLFを行いわないことで名高いメゾンと比較しました。
 
 
 
 
テイスティングしたシャンパーニュはこちら。
 
Rene Geoffroy 1erCru Cumieres Expression Brut NV(MLFなし)
GOSSET Grand Millesime Brut 2006 (MLFなし)
Agrapart et Fils 7 Crus brut NV
TAITTINGER Brut Millésimé 2009
SALON 1999 (MLFなし)

 
 
 
 
③ムニエ100%【11月】
ノンヴィンテージのアッサンブラージュには欠かせないけれど、
単一品種で使用されることはまれな陰の立役者、
ムニエにスポットを当てました。
 
ムニエの生育的特色、アッサンブラージュにおけるムニエの役割、
また、ムニエ100モノセパージュにするメゾンの工夫を分析しました。
 
親の代より受けついだ新しい世代の生産者が、他との差別化を
図り生産しはじめていること、また、ムニエの展望を解説いただきました。
 


 
テイスティングしたシャンパーニュはこちら。 
JEROME PREVOST La Closerie Les Beguines 2013 
PEHU SIMONET Fins Lieux No.1 Blanc de Noirs Grand Cru Verzenay 2011
Egly-Ouriet Premier Cru Vignes de Vrigny Brut NV
CHRISTOPHE MIGNON Rose de Saignee 1er Cru
Duval-Leroy Femme de Champagne Rosé de Saignee Grand Cru 2007


 
 
④古樽と新樽
つてシャンパーニュでは新樽熟成は敬遠されていましたが、
近年他生産者との差別化を図りあえて新樽熟成を掲げている生産者も。
伝統的な古樽利用のプレステージを含むシャンパーニュのラインナップで比較。
 
樽熟成がもたらす化学的作用に始まり、現在使用されている樽産地・その特色を分析。
近年木の選定から独自で樽づくりを行っているこだわりの生産者や、
卵型コンクリート、そして今じわじわと流行中のアンフォラを使用した生産者にも
スポットを当てました。
 
テイスティングしたシャンパーニュはこちら。

Alfred Gratien Brut
Bollinger Special Cuvee
KRUG Grande Cuvee 
VILMART ET CIE Champagne 1er Cru Rilly La Montagne Grand Celier Rubis
Henri Giraund Fut de chene MV 10
 

 
 
 
最後に、教室のラウンジにて打ち上げパーティーが行われました。
 


 
 
平日夜19:00からという枠で男女比率がほぼ半々。
ロジカルに学ぶことが大好き!というシャンパーニュ愛好家の皆様でした。
ご受講ありがとうございました。
 
基礎に続き素晴らしい講義をなさってくださった中村紀子先生に
この場をお借りし御礼申し上げます。
 
 

12/20/2017

第九回JOIE DE VIVRE賞授賞式

1129日(水)ANDAZ TOKYO Tokyo Studio/Chef’s Studioにて
Joie de vivre ジョワ・ド・ヴィーヴル~
生きる喜び賞樹授章式、およびカクテルパーティーが行われました。
 

 

この賞は、国を越えて生きるよろこびを分かちあう「シャンパーニュの精神」のシンボルとなる方、画期的独自性をもって国際的に活躍されている方に授賞されます。
 
 過去の受賞者は以下のとおり
 
第一回受賞者 華道家元池坊 次期家元 池坊由紀 様
第二回受賞者 和紙創作家 堀木エリ子 様
第三回受賞者 歌舞伎役者 尾上菊之助 様
第四回受賞者 ピアニスト 金子三勇士 様
第五回受賞者 女優 麻実れい 様
第六回受賞者  建築家 坂茂 様
第七回受賞者  日本画家 千住博 様
作曲家・編曲家・音楽プロデューサー 千住明 様
ヴァイオリニスト 千住真理子 様
第八回受賞者 カンヌ映画祭監督賞受賞 映画監督 河瀬直美 様
 





そして今回、第9回の受賞者漫画家 ヤマザキマリ様です。

 


 
ヤマザキマリ様は、2010年古代ローマを舞台にした漫画『テルマエ・ロマエ』で第3回漫画大賞、第14回手塚治虫文化賞受賞。2013年にはフランス、アングレーム国際マンガ祭にノミネートされ、2015年には芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。2017年にはイタリア共和国星勲章(コメンダトーレ章)受章されています。

 
今回の選定理由を、彼女が描く作品の全てに共通する尽きることのない創造性やオリジナリティのある繊細なライン、ヴァラエティに富んだスタイル、これらがシャンパーニュの精神と通じていると当局事務局長、Vincent PERRINが述べました。


 
 
副賞には、シャンパーニュ旅行と、シャンパーニュの詰め合わせ、そしてバカラ•フルーティッシモルビーが送られました。


 
 

シャンパーニュ輸入業者様29社のご協力のもと、28銘柄、70種類のシャンパーニュを、「爽」「濃」「艶」「寿」「福」のカテゴリーに分け、ご来場の皆様にお楽しみいただきました。
 
 









 




 

 
 
当日ご提供させていただいたシャンパーニュの銘柄(順不同)
LAURENT-PERRIER
AYALA
MAISON MUMM.
Bruno Paillard
TAITTINGER
Fleury P&F
Nicolas Feuillatte
JACQUART
ALFRED GRATIEN
Thienot
Claude Cazals
Selosse Pajon
Champagne Collet
Champagne Delamotte
Duval-Leroy
Canard-Duchene
Champagne Boizel
MAILLY
Champagne Jean Josselin
Champagne Pierre Moncuit 
Champagne Jacquesson
Domaine Rene Geoffroy
Domaine Vilmart & Cie
Vranken Pommery Monopole
BILLECART-SALMON
DEUTZ
DEUTZ
Champagne Beaumont des Crayeres
LOUIS LOEDERER



ヤマザキマリ様official blog: http://moretsu.exblog.jp/238040785/
 
 
また、今回の模様を以下ワインジャーナリスト、ワイン媒体オフィシャルウェブサイト、ワイン専門ウェブサイトに取り上げていただいております。


青木冨美子様official blog: 
 





家ワインwebsite:
http://iewine.jp/article/3853
 
シュワリスタラウンジ:
 

山本昭彦様Official website WineReport:
https://www.winereport.jp/archive/1264/
 
Whine-What!? webisite:
https://www.wine-what.jp/wine/28670/


なお、多くのインフルエンサーにもお越しいただき発信を頂きました。


ご協力いただきましたインポーター様、バカラパシフィック様、その他関係者の皆様に改めて感謝申し上げます。